「BCP対策として停電への備えが必要なのはわかっている。でも、具体的に何をすればいいのか分からない」
デイサービスや工場など、多くの施設でBCP停電対策の必要性を感じながらも、具体的な備えが進んでいないケースは多いです。
自然災害などによる停電が発生した場合、設備の停止・業務の中断・利用者や従業員への影響は避けられません。
本記事では、横浜市で創業60年以上消防設備・非常用発電設備に携わってきた東宝企業株式会社が、BCP停電対策に必要な電源設備の種類や特徴・選び方についてわかりやすく解説します。
なお、横浜市では、病院や福祉施設が非常用発電設備を導入する際の補助金があります。詳しくは「横浜市の非常用発電設備に補助金が出る!」記事をご確認ください。
| 東宝企業株式会社が「任せて安心」な理由 ・創業昭和36年・60年以上「消防設備点検・施工一筋」 ・消防設備点検から工事まで「自社一貫体制」 ・各メーカーに対応・現場に最適な提案が可能 ・横浜市をメインに首都圏対応 ・地域密着でスピード対応 |
この記事でわかること
- 停電が起きても事業を止めないための電源設備の選び方がわかる
- 施設・業種別に何を優先して備えるべきかがわかる
- BCP停電対策を今日から進める手順がわかる
「BCPの停電対策、何から始めればいいの?」という方は、まずお気軽にご相談ください。
【10秒でわかる】自施設に必要な設備目安・早見表
施設タイプごとにおすすめの停電対策設備をまとめました。
以下はあくまで一般的な目安です。
実際に必要な設備は、施設の規模、使用している機器、停電時に継続すべき業務、必要な稼働時間によって異なります。
| 施設タイプ | 最優先の対応事項 | 推奨構成 |
| クリニック | 電子カルテ、通信機器、医薬品・ワクチン用冷蔵庫など | UPS+蓄電池 |
| 介護施設 | 医療機器、通信、照明、空調、吸引器など | 蓄電池・非常用発電機 |
| 工場 | 制御盤、サーバー、重要設備、生産ラインなど | UPS+非常用発電機 |
| 病院 | 生命維持装置、手術室、患者監視装置など | UPS+非常用発電機+燃料計画 |
以下で、理由を含めて詳しく紹介していきます。
なぜBCP対策に停電への備えが必要か
BCPの停電対策については、リスクと必要な背景を押さえましょう。
停電が事業に与える具体的なリスク
自然災害や設備トラブルによる停電は、事業に複数のリスクをもたらします。
| リスク | 具体的な影響 |
| 人命への影響 | 人工呼吸器・透析機器など生命維持装置が止まる恐れがある |
| 設備の停止 | 生産ライン・医療機器・空調が使えなくなる |
| 安全面の問題 | 非常灯・エレベーター・防火設備が機能しなくなる |
| データ損失 | サーバーや端末が突然シャットダウンし業務データが消える |
| 経済的損失 | 生産ライン停止・業務中断による売上減少と復旧費用の発生 |
医療施設や介護施設では、医療機器や空調が止まるだけで入院患者・入居者の安全を守れなくなります。
工場では生産ラインが止まり、納期遅延や製品ロスが発生します。
停電は「不便」ではなく、人の命や事業の存続に直結するリスクです。
BCP策定で電源確保が求められる背景
BCP(事業継続計画)とは、災害や緊急事態が起きても事業を継続・早期復旧するための計画のことです。
内閣府の事業継続ガイドラインでも、重要業務の継続のために、バックアップや電源確保・回線の二重化の重要性が示されています。
介護施設・医療機関・工場など多くの業種でBCP策定の努力義務・義務化が進んでいます。BCPにおいて停電対策は必須です。
BCP停電対策における3つの電源設備

BCPの停電対策に使用される3つの設備について、特徴と用途を解説します。
非常用発電機で長時間の電力を確保する
非常用発電機は、燃料(軽油・ガスなど)を燃焼させて電力を生み出す設備です。
燃料が続く限り長時間の電力供給が可能で、病院・工場・大型施設のBCP対策で広く採用されています。
主な特徴は以下の通りです。
- 燃料備蓄と補給体制を前提に、長時間停電へ対応しやすい
- 大きな電力容量に対応できる
- 定期的な負荷試験・メンテナンスが必要
必要な稼働時間は施設用途や負荷によって異なります。
災害直後の初動対応期間を乗り切るため、72時間をひとつの目安にしつつ、必要負荷と燃料計画をあわせて設計することが重要です。
ただし、非常用発電機は停電発生から起動までに数十秒かかるため、後述する無停電電源装置と組み合わせて使うのが一般的です。
なお、発電機と蓄電池の違いについては「発電機と蓄電池の違いを徹底比較」も参考にしてください。
蓄電池で一定時間の電力を自力供給する
蓄電池は、事前に充電した電力を停電時に放電する設備です。
発電機のように燃料が不要で、静音・排気なしで使えるため、介護施設や室内設備との相性が良いです。
| 項目 | 内容 |
| 供給時間 | 容量と消費電力により異なり、数時間〜数十時間程度 |
| 特徴 | 静音・排気なし・メンテナンスが少ない |
| 向いている用途 | 小〜中規模施設・室内設備のバックアップ |
太陽光発電と組み合わせることで、昼間は太陽光で充電しながら電力を自給できる構成も可能です。
無停電電源装置で瞬時の電力切れを防ぐ
無停電電源装置(UPS)は、停電が発生した瞬間に自動で電力を供給し続ける設備です。
供給時間は一般的に数分〜10分程度ですが、その間に発電機を起動したり、PCやサーバーを安全にシャットダウンしたりする時間を確保できます。
- データ損失・システム障害を防ぐ
- 精密機器・医療機器の保護に効果的
- 発電機が起動するまでの「つなぎ役」として機能する
3つの設備はそれぞれ役割が異なります。
施設の規模や用途に応じて設備を組み合わせることが、BCP停電対策の基本的な考え方です。
施設・業種別に見る停電対策の優先順位

施設や業種によって必要な停電対策は異なります。以下で見ていきましょう。
医療施設・病院
医療施設・病院では、停電が直接患者の命に関わります。
人工呼吸器・透析機器・手術室の照明など、電力が止まると即座に人命リスクが生じる設備が多数あります。
そのため以下の構成が基本です。
- 非常用発電機の設置(災害拠点病院は72時間以上対応)
- UPSで発電機起動までの数十秒をカバー
- 受電設備の二重化で電力供給ルートを複数確保
病院では、消防法や建築基準法に基づき、消防用設備や避難設備のための非常電源・予備電源が求められる場合があります。
さらに、災害拠点病院では自家発電機等と3日分程度の燃料確保が指定要件とされています。
詳しくは「病院の発電機」記事をご参照ください。
工場・倉庫
工場・倉庫では、生産ラインの停止が納期遅延・製品ロス・設備故障に直結します。
停電時間が長引くほど経済的損失は拡大するため、長時間対応できる電源設備の準備が必要です。
| 優先設備 | 理由 |
| 非常用発電機 | 生産設備・空調・照明の継続稼働 |
| UPS | 制御システム・PCの保護とデータ損失防止 |
| 蓄電池 | 小規模設備や事務所エリアのバックアップ |
設備の規模によって必要な電力容量が大きく異なるため、専門業者による現場調査・設計を求めましょう。
介護施設・デイサービス
介護施設やデイサービスでは、空調・照明・医療機器・エレベーターが止まると、利用者の安全を守れなくなります。
特に夏場の停電は熱中症リスクが高まるため、空調の継続稼働が最優先です。
- 蓄電池:静音で室内設置しやすく介護施設に向いている
- 非常用発電機:長時間停電への備えとして有効
- ポータブル電源:小規模施設や一部設備の補助として活用できる
2024年4月1日より、介護施設へのBCP策定が義務化されています。
電源確保の計画を早めに進めることが求められます。
BCP停電対策の具体的な進め方4ステップ
では具体的に停電対策をどう進めていけばよいか、見ていきましょう。
停電リスクの洗い出しと影響範囲の分析
BCP停電対策の最初のステップは、自施設にとっての停電リスクを整理することです。
以下の観点で影響範囲を洗い出しましょう。
| 確認項目 | 内容 |
| 停止する設備 | 電力が止まったとき動かなくなる機器・設備の一覧 |
| 影響を受ける業務 | 停電によって継続できなくなる業務の特定 |
| 復旧までの許容時間 | 業務ごとに「何時間まで止められるか」を設定 |
| 優先順位の決定 | 人命・安全に関わる設備を最優先に順位付け |
影響範囲を整理することで、どの設備にどの電源バックアップが必要かが見えてきます。
電源設備の選定と導入の流れ
影響範囲の分析が終わったら、必要な電源設備を選定します。
選定の際は以下の流れで進めるとスムーズです。
- 必要な電力容量を算出する(設備ごとの消費電力を合計)
- 必要な稼働時間を決める
- 設置スペース・燃料調達の条件を確認する
- 専門業者に現場調査・見積もりを依頼する
- 導入後に動作確認・訓練を実施する
電力容量や稼働時間の設定は、専門的な知識が必要です。非常用発電機の施工会社や電気設備会社、消防設備会社などに相談しましょう。
受電設備の複数化・二重化という考え方
電源設備の導入と合わせて、電力の供給ルート自体を複数確保する「受電設備の複数化・二重化」も有効と推奨される対策です。
- 本線予備線受電:電力会社から2系統の引き込みを確保し、片方が遮断されても電力を維持する
- 受変電設備の二重化:構内の変電設備を2系統用意し、一方が故障しても電力を維持できるようにする
採用できる方式は施設規模や受電方式により異なります。
大規模施設・病院・データセンターでは特に有効とされており、電気設備業者との設計確認が必要です。
定期点検と負荷試験の実施
電源設備は「導入して終わり」ではありません。
いざというときに正常に動作するよう、定期的な点検と負荷試験が必要です。
| 非常用発電機 | 消防法により原則年1回以上の負荷運転または内部観察等が義務付けられている。ただし、予防的保全策を実施している場合は、周期を6年に1回へ延長できる(自家発電設備の点検基準について|消防庁) |
| 蓄電池 | 定期的な充放電テストと容量確認 |
| UPS | バッテリー劣化の確認と交換 |
導入後のメンテナンス体制まで含めて計画することで、BCP停電対策が完成します。
非常用発電設備の負荷試験の詳細は「非常用発電設備の負荷試験」、メンテナンスの詳細は「非常用発電設備のメンテナンス」記事もあわせてご確認ください。
BCP停電対策に関するよくある質問
Q1:BCP対策に法律上の義務はありますか?
業種によって異なります。
介護施設は2024年4月1日よりBCP策定が義務化されています(介護施設のBCP策定義務について|e-Gov法令検索)。
医療機関では、厚生労働省がBCP策定の手引きや研修資料を公表しており、災害時の医療継続体制の整備が求められています。
特に災害拠点病院では、非常用電源や燃料確保について具体的な要件があります(医療施設のBCPについて|厚生労働省)。
工場・一般企業ではBCP策定が一律に法的義務化されているわけではありません。
しかし、行政の策定支援や取引先からの要請、入札条件などで重視される場面が増えており、早めの対応が望まれます。
Q2:ポータブル電源はBCP対策に使えますか?
補助的な用途であれば活用できます。
ポータブル電源は持ち運びができるため、照明・スマートフォンの充電・小型医療機器などのバックアップとして役立ちます。
ただし容量に限りがあるため、生産設備や大型空調を長時間動かすことはできません。
BCP停電対策の中心は非常用発電機・蓄電池とし、ポータブル電源はあくまで補助として位置づけましょう。
Q3:BCP停電対策の具体例を教えてください
BCP停電対策の具体例として、以下が挙げられます。
| 対策 | 内容 |
| 非常用発電機の設置 | 停電時に長時間の電力を自力供給 |
| 蓄電池の導入 | 発電機が起動するまでの電力をカバー |
| UPSの設置 | サーバー・医療機器を瞬時の停電から守る |
| 受電設備の二重化 | 電力供給ルートを複数確保してリスクを分散 |
| 定期的な負荷試験 | 設備が本番で確実に動くよう事前に確認 |
停電対策だけでなく、通信手段の確保・燃料の備蓄・復旧手順の明文化なども対策には含まれます。
BCPの停電対策は現状把握とリスクの洗い出しから
BCP停電対策は、人命・事業継続・法令対応の観点から早急に取り組むべき課題です。
- 非常用発電機・蓄電池・UPSの役割を理解して組み合わせる
- 施設・業種別に優先すべき設備が異なる
- リスク分析→設備選定→点検まで一貫して計画する
「何から始めればいいかわからない」という方も、まずは現状の設備と停電リスクの洗い出しから始めましょう。
創業60年以上・横浜市をメインに首都圏で対応する東宝企業株式会社では、非常用発電設備の点検・施工・蓄電池の販売まで自社一貫体制でサポートしています。
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