「水道直結式スプリンクラーって聞くけど、実際どんなものなんだろう」
「うちの施設に設置できるものなのだろうか」
そう感じている方もいるのではないでしょうか。
スプリンクラーは高額な設備というイメージがあり、小規模な福祉施設や診療所では導入にハードルを感じやすいものです。
水道直結式スプリンクラーとは、建物の給水管に直接つなぎ、水道水を消火用水として利用する方式です。必要な水圧・水量を確保できれば、専用の受水槽や加圧ポンプを省けるため、省スペースで設備費・工事費を抑えやすいのが大きな特徴です。
そこで、この記事では、横浜市で60年以上、消防設備の点検・工事を手がけてきた東宝企業株式会社が、水道直結式スプリンクラーの特徴からメリット・デメリットまでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 水道直結式スプリンクラーは、ポンプ・水槽不要で既設の水道に直結する仕組み
- 設置できるのは、グループホームや一定の有床診療所など基準面積1,000㎡以下の施設
- 大がかりな水源設備の工事が省けるため、費用を抑えやすい
| 東宝企業株式会社が「任せて安心」な理由 ・創業昭和36年・60年以上「消防設備点検・施工一筋」 ・消防設備点検から工事まで「自社一貫体制」 ・各メーカーに対応・現場に最適な提案が可能 ・地域(横浜市をメインに首都圏対応)密着でスピード対応 |
<目次>
水道直結式スプリンクラーとは

水道直結式スプリンクラーは、「特定施設水道連結型スプリンクラー設備」の一つの方式です。
特定施設水道連結型スプリンクラー設備とは、水道水を利用して消火する小規模施設向けのスプリンクラー設備で、水道に直接つなぐ方式のほか、受水槽やポンプを使う方式もあります。
このうち、建物の給水管に直接つなぐ方式が「水道直結式スプリンクラー」です。必要な水圧・水量を確保できれば、専用の受水槽や加圧ポンプを省けるため、省スペースで設備費・工事費を抑えやすいのが特徴です。
本記事では、特定施設水道連結型スプリンクラー設備のうち、この「水道直結式スプリンクラー設備」を中心に解説します。
特定施設水道連結型スプリンクラー設備には、直結式のほか、受水槽やポンプを使用する構成などもあります。
- 一筆書き配管の湿式方式(直結式)
- 乾式方式(直結式)
- 水槽付ポンプユニットの湿式方式(受水槽式)
- 水槽付ポンプユニット併用型乾式方式(受水槽式)
- 【新設置基準】水道連結型小形ポンプ併用の乾式方式
| 給水方法 | 湿式 | 乾式 |
| 水道直結式 | 配管内に通常時から水がある | 通常時は配管内を水で満たさず、火災時に充水する |
| 受水槽式 | 受水槽などを使い、配管内に水がある | 受水槽などを使い、通常時は配管内を水で満たさない |
詳細は、水防協サイトをご覧ください。
なお、「特定施設水道連結型スプリンクラー設備」は消防法施行令で使われている法令上の名称です。
このうち厚労省通知では、水道法上の給水装置に直結する範囲を「水道直結式スプリンクラー設備」と定義しています。
平成19年の消防法令の改正により、小規模な社会福祉施設について特定施設水道連結型スプリンクラー設備の設置が認められました。
参考:厚生労働省|消防法施行令等の改正に伴う特定施設水道連結型スプリンクラー設備の運用について
水道直結式スプリンクラーの特徴
水道直結式スプリンクラーの最大の特徴は、建物の給水管にスプリンクラー設備を直結し、水道の水を消火に利用する点です。
水道の水圧・水量で必要な性能を確保できる場合は、専用の受水槽や加圧ポンプを省けます。設備がシンプルなため、置き場所や工事の負担を抑えやすいのが利点です。
必要な水圧・水量が得られない場合には、受水槽や増圧ポンプなどが必要になることもあります。
火災時には、スプリンクラーヘッドの感熱部が熱を受けて作動し、自動的に放水します。
水道直結式スプリンクラーの対象施設

対象は主に、入所者や入院患者がいる小規模(基準面積1,000㎡未満)の福祉施設・医療施設です。自力での避難が難しい方が利用する施設が中心になります。
- グループホーム(高齢者・障害者)
- 一定の有床診療所・入院設備のある病院
設置できるかどうかは、施設の用途や基準面積、建物の構造、水道の水圧・水量などによって異なります。そのため、実際の設置可否は消防署や専門業者への確認が必要です。
参考:消防庁|特定施設水道連結型スプリンクラー設備に係る運用について(消防予第390号)
グループホームのスプリンクラー設置については、別記事「グループホームのスプリンクラー設置義務」でも解説しているため、あわせてご覧ください。
通常のスプリンクラーと水道直結式スプリンクラーの違い

通常のポンプ式スプリンクラーと水道直結式は、水源や設備面が違います。
おもな違いを表で整理します。
| 項目 | 一般的なポンプ式スプリンクラー | 水道直結式 |
| 水源 | 専用の水源を設ける | 水道を利用 |
| 加圧ポンプ | 使用する | 水圧・水量が足りれば省ける |
| 設備 | 水槽やポンプなどが必要 | 条件を満たせば設備を簡素化できる |
| 主な用途 | 比較的規模の大きな施設など | 小規模な対象施設 |
一般的なポンプ式との大きな違いは、必要な水圧・水量をどのように確保するかです。
水道直結式は、水道の給水能力で必要な性能を確保できれば、専用の受水槽や加圧ポンプを省けます。
ただし、水圧・水量が不足する場合は、増圧ポンプや受水槽などが必要になることがあります。
そのため、水道直結式スプリンクラーは、設備を簡素化し、設置スペースや工事の負担を抑えやすいのが特徴です。
また、一般的なスプリンクラーより低圧・小水量で放水する設計となっています。
水道直結式スプリンクラーのメリットと費用を抑えやすい理由

水道直結式スプリンクラーは、水道の水圧・水量で必要な性能を確保できれば、専用の受水槽や加圧ポンプを省けるため、設備費や工事費を抑えやすくなる点がメリットです。
ただし、費用は施設の広さやヘッド数、給水管の口径、水圧・水量などによって異なります。給水能力が不足すれば、給水管の増径や増圧ポンプ、受水槽が必要になる場合もあります。
そのため、実際の費用は建物ごとの調査・見積もりで確認する必要があります。
水道直結式スプリンクラーのデメリットと注意点

水道直結式スプリンクラーを導入する前に知っておきたい注意点を説明します。
放水量・水圧の制約
水道直結式は水道の水をそのまま使うため、放水量は通常のスプリンクラーより控えめです。あくまで初期消火を目的とした設備になります。
- 水道が断水したときは正常な効果が得られない
- 水道の水圧が低い地域・建物では放水が弱くなる場合がある
- 水圧が足りないときは補助の装置が必要になることもある
火が小さいうちに消し、避難の時間をかせぐための設備だと理解しておきましょう。
対象・設置場所の制約
水道直結式スプリンクラーを設置できるのは、基準面積が1,000平方メートル未満の小規模な施設に限られます。
自分の施設に設置できるかは、水道の状況を含めた現地調査で判断します。迷ったら、まず専門業者に相談しましょう。
水道直結式スプリンクラーに関するよくある質問
水道直結式スプリンクラーは既存の建物にも後付けできますか?
はい、後付けできます。
既設の水道を利用するため、大がかりな水源工事が不要で、運用中の施設にも比較的取り入れられる設備です。
ただし、水道の能力や配管の状況で工事内容は変わるため、事前の現地調査が必要になります。
水道直結式スプリンクラーに点検は必要ですか?どのくらいの頻度ですか?
点検は必要です。消防用設備として、半年ごとの機器点検と、1年ごとの総合点検が求められます。
グループホームなどの特定防火対象物では、 年に1回、点検結果を消防機関へ報告する義務があります。
スプリンクラーを導入する際は、設置後の点検まで任せられる業者を選ぶとスムーズでしょう。
水道直結式スプリンクラーは断水したときも作動しますか?
作動しません。水道直結式は水道を利用するため、断水や水圧低下が起きると、十分な性能を発揮できない場合があります。
設置前には、必要な水圧・水量を確保できるか確認することが重要です。
水道直結式スプリンクラーは費用を抑えたい小規模施設の選択肢|まずは無料相談から
水道直結式スプリンクラーは、水道の水圧・水量で必要な性能を確保できれば、専用の受水槽や加圧ポンプを省ける設備です。
設備をシンプルにできるため、一般的なポンプ式より工事や費用の負担を抑えやすい一方、設置には水圧・水量や施設用途などの条件があります。
自施設に設置できるかは、建物と給水状況を確認したうえで判断しましょう。
「自分の施設に設置できるか」「いくらかかるか」を知るには、現地調査つきの見積もりが確実です。
横浜市で60年以上の実績をもつ東宝企業株式会社が、対象の確認からご相談をお受けします。
【この記事を書いた人】
東宝企業株式会社
創業昭和36年、横浜市を拠点に60年以上、消防設備の点検・施工を一筋で手がける専門会社です。
消防設備点検から工事まで自社一貫体制で対応し、各メーカーの設備に対応。
首都圏で地域密着のスピード対応をしています。
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