病院の非常用発電機について「どうやったら72時間稼働できるようになるの?」と悩む設備担当者の方は多いでしょう。
この記事では、横浜市で自家発電設備・非常用発電設備に携わる「東宝企業株式会社」が、病院に求められる非常用電源が72時間稼働を実現するコツをわかりやすく解説します。
| 【東宝企業株式会社が「任せて安心」な理由】 ・創業昭和36年・長年にわたり自家発電設備を点検 ・施工負荷試験から更新工事まで一貫対応 ・各メーカーに対応し現場に最適な提案が可能 ・地域密着でスピード対応(横浜市をメインに首都圏対応) |
【10秒でわかる結論】病院の発電機を72時間稼働させるには?
病院管理者の方は、発電機について次のポイントを理解しておきましょう。
・災害対策として、病院には72時間稼働できる非常用電源が求められている ・しかし現状では、多くの病院が未達成 ・まず行うべきは、自院に必要な発電量の把握 ・そのうえで、費用や設置場所に見合った現実的な対応策を複数検討する |
「72時間稼働できるか不安なので、一度相談したい」という方は、ぜひご相談ください。
【前提確認】病院発電機の設置基準と関連法

病院における非常用発電機の設置には、目的の異なる4つの法律・規格が関係しています。
| 法律名 | 目的 | 具体的な要件 |
| 消防法 | 消火活動の支援 | 【延べ面積が1,000㎡以上】スプリンクラーや消火栓ポンプを動かすための非常電源の設置 |
| 建築基準法 | 避難の安全確保 | 【延べ面積500㎡以上の病院】排煙設備と予備電源の確保 【高さ31m超の建物】非常用エレベーターと電源の設置 |
| 電気事業法 | 保安の確保 | 作成した保安規程に基づく定期的な点検 |
| JIS規格 | 品質・性能の確保 | 手術室・ICU・NICUなどに無停電電源装置(UPS)設置 |
病院としては、すべてを満たす設備管理が必要です。
「72時間の壁」とは?病院の発電機に求められる稼働時間の考え方
発電機設置の基準を満たした病院が次に直面する課題が、「72時間(3日間)稼働」の壁です。
なぜ72時間(3日間)の稼働が必要なの?
72時間がひとつの基準とされる理由は、次の点にあります。
・大規模災害では、発災後72時間が人命救助の山場とされている道路寸断などにより、燃料補給がすぐに受けられない可能性が高い ・国のBCP(事業継続ガイドライン)や内閣府「大規模災害時における地方公共団体の業務継続の手引き」、災害医療体制では、初動3日間の自立運営が前提とされている |
医療行為が止まらないよう「最低でも最初の3日間は自力で持ちこたえる」という考え方が基本になります。
災害拠点病院ではより厳しい前提条件
なお、災害拠点病院等には、外部電力が途絶えても医療機能を継続できるよう、より厳格な要件が求められています。
| 【災害拠点病院の指定要件(電源関連)】 発電容量:通常時の電力使用量の60%程度を確保すること 燃料備蓄:災害時でも業務を継続できるよう、3日分程度の燃料を確保すること |
【実態調査結果から】多くの病院が直面する容量・燃料不足
「72時間が必要」という認識は広まっている一方で、実際の整備状況は厳しいのが現実です。
ある調査結果からは、以下の課題が浮き彫りになっています。
| 調査項目 | 実態(課題) |
| 発電容量 | 通常使用量の60%以上を確保できている病院は約30% ※災害拠点病院でも67% |
| 燃料備蓄 | 3日分(72時間)以上の燃料を持つ病院は30%未満 |
| 中小病院 | 200床未満の病院では、容量・燃料ともに約80%が基準未達 |
参照元:災害等非常時における病院の電源確保に関する現況調査とこれに基づく課題の整理と対策の方向について|東京都病院協会
中小規模の病院をはじめ多くの病院が、災害時に電源喪失のリスクを抱えています。
発電機の資金や設置スペースがない場合の現実的な対策
「72時間分の設備を置く場所がない・・・」という病院でも、できる対策はあります。
以下が、限られたリソースで稼働時間を延ばすための現実的なアプローチです。
まずは必要発電量の整理|コンセントの色をもとに考える

病院では、非常時に優先する電源がコンセントの色で区分されています。
| コンセントの色 | 電源の位置づけ | 主な接続機器 |
| 緑 | 無停電非常電源(UPS) | 工呼吸器などの生命維持装置 |
| 赤 | 非常用電源(発電機) | 医療機器、非常用エレベーター |
| 白 | 商用電源 | 事務機器など(停電時は停止) |
発電機の容量や燃料計画を考える際は、このうち「緑・赤系統」にどれだけの電力が必要かを把握することが出発点です。
「すべての設備を動かす」前提ではなく、72時間維持すべき機器を絞り込むことが、無理のない発電機計画につながります。
現実的な対応策を複数検討する
必要な電力の範囲が明確になったら、次は現実的な対応策を検討します。
非常時の電源は、なかなか発電機だけで賄えるものではありません。
限られた条件の中で稼働時間を延ばすためには、複数の対策を組み合わせて考えることが重要です。
1.負荷の見直し
発電機で稼働させる機器を精査し、非常時に不要な設備は白色コンセントへ切り替えます。
発電機に接続する負荷を抑えることで、燃料消費を抑え、稼働時間の延長につながります。
2.更新時の工夫
老朽化した大型の発電設備を、高効率でコンパクトな最新機種へ更新することも有効です。
更新により生まれたスペースを活用して燃料タンクを増設することで、限られた設置条件でも稼働時間の延長が可能になります。
3.運用面の強化
災害時に備え、燃料業者との優先配送協定を結んだり、定期点検・負荷試験を行い、燃費効率を維持したりすることも、大切な取組みです。
【東宝企業の取り組み】
東宝企業株式会社では、災害時の燃料の専属備蓄配送契約を行なう日本BCP株式会社と提携しています。
株式会社BCPの強みは、災害時の支援が確約されている点です。
| 項目 | 一般的なサポート | 日本BCP株式会社 |
| 災害時の対応 | 順次対応が基本 | 支援対応を事前に確約 |
| 支援の確実性 | 状況次第 | 契約院向けに、車両1台・ドライバー1名を必ず確保 |
| 管理者の不安 | 大きい | 小さい |
災害時でも確実に支援を受けられる体制が、医療機関の安心につながると考え、この提携を行っています。
4.蓄電池の併用
電機と蓄電池を組み合わせることで、起動時の補助電源やピーク負荷の平準化が可能となります。
発電機と蓄電池の違い・併用の考え方については、下記記事で詳しく紹介していますので、あわせてお読み下さい。
以上のようなさまざまな角度から工夫を重ねることで、72時間を見据えた備えが叶いやすくなります。
病院の発電機についてよくある質問(FAQ)
病院の発電機に関するよくある質問について、回答します。
Q1.病院の非常用発電機は「72時間稼働」が法律で義務付けられているの?
A.すべての病院に対して、72時間稼働が法律で一律に義務付けられているわけではありません。
消防法・建築基準法では非常電源の「設置義務」は定められていますが、72時間の稼働時間までは明記されていません。
一方で、災害拠点病院の指定要件やBCP(事業継続計画)の考え方では、発災後72時間は自立運営できる体制が前提とされています。
そのため、災害医療を担う病院では実質的な必須要件となっており、一般病院でもこれに準じて72時間を目標とするケースが標準的になりつつあります。
Q2.発電機が「72時間稼働できる」と言える根拠は、何で判断するの?
A.「72時間稼働できる」と言えるかどうかは、机上の計算だけでは判断できません。
次の3点がそろって初めて、根拠があると説明できます。
| ①停電時にどの医療機器や設備を動かすのか(優先供給範囲)が明確に整理されていること ②上記で特定した負荷に対して、エンジンの燃費から算出された燃料消費量が、タンク容量で賄えるという計算が成立していること ③負荷試験や定期点検によって、実際にエンジンが正常に始動し、出力を維持できる状態にあるという記録(エビデンス)があること |
Q3.72時間分の燃料は、どの電力条件で計算するのが正解?
A.発電機の「定格出力(100%)」ではなく、「非常時に想定される実負荷」で計算します。
災害拠点病院では、通常時使用電力の約60%程度を、非常時の目安負荷として想定するケースが一般的です。
負荷を整理することで、現実的な燃料計画が可能になります。
病院の発電機を72時間稼働させるには
病院が災害時にも医療を継続するためには、発電機を「設置する」だけでなく、72時間稼働させるための具体的な備えが欠かせません。
| 1.72時間稼働を目安に、まず必要な発電量を整理・把握する 2.算出した発電量に見合った発電機の容量・仕様を検討する 3.発電機以外での対応も検討する ①災害時に備え、燃料業者との優先配送協定を結んでおく ②定期点検や負荷試験により、性能や燃費効率を維持する ③蓄電池との併用も含めた電源構成を考える |
災害時の電源確保は、患者の命を守るための最後の砦であり、病院にとって欠かせない対策です。
発電設備について少しでもご不安があれば、まずはお気軽にご相談ください。